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アメリカには「ノン・リコース・ローン」がある
これに呼応するように、不動産に対する銀行融資のスタイルも日米では違っている。
アメリカでは、ノン・リコース・ローンという融資形態が普及している。「ノン・リコース」とは「不遡及」ということであり、借り手がローン返済不能に陥ったとしても、担保にした不動産を差し出せば、それ以上の債務を負担しなくてもよいという制度である。
このノン・リコース・ローンを利用できるとすれば、借り手のリスクは相当に軽減されるはずだ。
けれども、日本では、残念ながらノン・リコース・ローンで融資を受けたという話を聞くことはめったにない。
なぜなら、日本の住宅は築年数によって減価し、担保価値も失われていく。借り手がローンを払えないからといって価値の下がった物件を差し出されても、銀行としても困ってしまうからである。
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「耐久性のある建物など建てても仕方がない」
それでは、日本でも、築年数を経ても価値の下がらないような優良物件を建築し流通させることはできないのだろうか。ところが、日本では、法定耐用年数なるものが定められており、これを過ぎた建物は、売りたくても買い手が付かないおそれがある。銀行が融資してくれないからだ。
だから日本では、法定耐用年数を過ぎた建物は、壊して新築にしてしまったほうがいいし、「耐久性のある建物などを建てても仕方がない」という発想になりがちだ。そのあげく、建物に耐久性がないから価値が下がる、という悪循環に陥るのが日本の現実なのである。
このような環境で「不動産投資」をする、というのは、なかなか辛いものがあるのではないだろうか。
「ほぼ確実に値下がりする」投資とは
それというのも、一般に投資というものは、
1. 購入 (入口)
2. 収益 (不動産なら賃料、株式・債券であれば配当・利子など)
3. 売却 (出口)
というサイクルから成り立っている。ところが、日本の住宅などは、購入時よりも売却時のほうがほぼ確実に値下がりしてしまう。そんなものを購入しても、それが果たして「投資」と言えるのかどうかさえ怪しいからだ。
もちろん、購入時よりも売却時のほうが確実に値上がりしている投資先などは存在しないと言ってよい。「確実に値を上げる」と誰もが信じているとすれば、それはバブル化しているということだ。アメリカの住宅バブル、日本の土地神話がそうだった。
ところが、日本における住宅は、ほぼ確実に値下がりする。そんなものに「投資」するのが「日本における不動産投資」なのである。
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