プライベートバンクFAQ

スイス銀行の貸し金庫について

 

せめて「常識の範囲」に・・・

これは、やはりプライベートバンクの信託預金金利なので、かなりの高水準であるのは確かです。

ですから、この水準を一般銀行の外貨預金金利と比較すること自体やや酷であると思われます。当方としても、この金利水準を日本の外貨預金に求める気はさらさらありません。

しかし、プライベートバンクと比較して分かったことは、「スイスフランの特殊事情」のようなものは(少なくともグローバルなレベルでは)おそらく存在しないこと、そして、日本国内の外貨預金金利の低さは既に常識的な「比較の範囲」を超えているということです。もはや「非常識」のレベルに達していると言っていいでしょう。

日本の外貨預金が、せめて常識的な「比較の範囲」に入ることを切に望みます。

 

知識武装の重要性

 残念ながら、プライベートバンクは誰でも利用できるというものではありません。もしプライベートバンクを利用してその高い預金金利とサービスを享受することが可能なら、それに越したことはないでしょうが・・・。

とはいえ、仮にプライベートバンクを利用することができないとしても、各国の政策金利をときどきチェックするなどして、知識武装することをお勧めします。外貨預金金利などで銀行に「いいようにされる」ということを防ぐためにも、一般市民が金融知識を身に付け、知識武装することは必要だからです。いつの日か、日本人が銀行から「あなどれない国民」とみなされるようになれば、日本の外貨預金も単なる「為替手数料狙いの金融商品」ではなくなり、その金利もやがて適正な水準に落ち着いて行くのかも知れません。

 ところで、巷では「金融教育」が流行語になっています。

銀行がPRのために講座を開いたりしてTVコマーシャルのテーマなどにもなっているようですが、どうも日本では、「金融機関にとって都合の良い客」をつくるため教育が金融教育であるという気がします。

けれども、市民が「身を守る術」としての知識をまず身に付けてこそ、本来の金融教育と言えるのではないでしょうか。

 

[参考資料]

主要通貨おける政策金利、外貨預金金利、外貨MMF実績分配率、プライベートバンク信託預金金利の比較(いずれも税引き前の値に基づき、比較のため各国政策金利を1として換算したもの。小数第3位以下は切り捨て。2007824日現在)

 

米ドル

ユーロ

カナダドル

豪ドル

NZドル

政策金利 = 1.0

(各国での名称)

1.0

(Federal Fund Rate)

1.0

(Refinancing Tender)

1.0

(Overnight Rate)

1.0

(Cash Rate)

1.0

(Official Cash Rate)

国内外貨預金金利(A銀行)

0.65

(6ヶ月定期預金の金利)

0.68

(6ヶ月定期預金の金利)

0.46

(6ヶ月定期預金の金利)

0.68

(6ヶ月定期預金の金利)

0.77

(6ヶ月定期預金の金利)

外貨MMF (B証券)

0.88

(実績分配率)

0.85

(実績分配率)

0.82

(実績分配率)

0.87

(実績分配率)

0.93

(実績分配率)

プライベートバンク信託預金金利(Bank C)

0.90

(6ヶ月定期預金の金利)

0.96

(6ヶ月定期預金の金利)

0.91

(6ヶ月定期預金の金利)

0.92

(6ヶ月定期預金の金利)

0.96

(6ヶ月定期預金の金利)

 

コメント

     あえてA銀行の名誉のために言うと、外貨預金金利が「政策金利の9分の1」という極端な例はスイスフランのみであって、他の通貨の場合は、概ね「政策金利の半分程度」は確保しているようです。それにしても、スイスフランの定期預金の金利が何故これほど低いのか、この通貨の場合おそらく「日本では他銀行との競争が少ない」と思われますが、それ以外に何か理由があるのか、ぜひ知りたいものです。

     比較的よく知られていることですが、外貨MMFの実績分配率は一般に外貨預金の金利を上回ります。これは、一つには外貨MMFが「預金ではなく投資信託」なので、元本保証がなく、その分の「リスク・プレミアム」が上乗せされるからだと考えられます。MMFが元本割れする可能性は小さいとされていますが、過去に元本割れがなかったわけではありません。

     プライベートバンクの信託預金金利は、「元本保証」であるにもかかわらず、軒並み各国政策金利の90%以上を達成しており、外貨MMFの実績分配率を上回る水準を保っています。

     プライベートバンクには、定期預金以外に「コール預金」と呼ばれるものがあります。コール預金は日本の銀行の普通預金に相当する変動金利商品ですが、定期預金並み(日本の外貨定期預金ではなく、「プライベートバンクの定期預金」並みであることに注意)の金利が付き、しかも元本が保証されています。

     たとえプライベートバンクであっても、元本保証である預金の金利が各国の政策金利を上回ることは普通考えにくいことです。従って、インターネット上などでこれを上回る預金金利を提示している銀行があれば「あやしい」と見なすべきであり、近付かない方が賢明です。その意味でも、主要通貨の政策金利をときどきチェックすることは重要なことです。

 

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