プライベートバンクFAQ

スイス銀行の貸し金庫について

 

日本の外貨預金金利の呆れた低水準

 

 

あの「スイスフラン」で、さえも・・・

 ちょっと強烈なタイトルになりましたが、正直な感想です。

 最近(これを書いているのは20078月です)、日本円の実質実効為替レートが1985年の「プラザ合意」以来の円安水準になったというニュースがありました。

 当時の為替レートが1ドル=240円台だったというのですから、これは相当な円安水準です。近頃は「海外旅行しても物価が高いと感じる」というのも納得が行きます。

 思えば、ほんの3, 4年ほど前までは、世界的な低金利の時代でした。2004年初めには、アメリカの政策金利が1%ほど、スイスと日本は実質ゼロ金利の政策で肩を並べるという状態だったのです。ところが、あれよあれよという間に米国の政策金利であるフェデラルファンド・レート(Federal Fund Rate, FFレート)5.25%にもなり、日本円とともに低金利通貨の代表であったスイスフランでさえも主要政策金利が2.5%となりました。ひとり日本円だけが取り残されてしまったという感じは否めません。

「歴史的な円安水準」に至った背景には長引く低金利があります。金利政策、円高円安の是非については意見が分かれるでしょうが、かつて「ジャパン・アズ No. 1」などと言われた「強い円の時代」を知っている世代からすれば、現状には一抹の寂しさを禁じ得ないかも知れません。

 

外貨定期預金の「まさか」(!?)

 とはいえ、世界が低金利の時代を脱したというのは、外貨投資をしようとする人たちにとっては良いニュースでしょう。昨今はFX(外国為替証拠金取引)がブームですが、外貨投資と言ってもそのようなハイリスク取引に興味がない場合は、とりあえず「銀行で外貨預金でも」ということになるかと思います。

 そこで銀行に試しに問い合わせてみましょう。すると、その結果は・・・まさに「信じられない」と言っていいものです。

 以下は、A銀行の担当者との会話です。

 「あのう、スイスフランの定期預金をつくりたいのですが・・・」

 「ありがとうございます。スイスフランの定期預金の金利は、6ヶ月もので年0.28パーセントでございます」

 「は?  今何とおっしゃいました?

 「スイスフランの金利は、6ヶ月もので0.28パーセントです」

 まことに、我と我が耳を疑うというのは、こういうときのことを言うのではないでしょうか。

 0.28%というのは、スイスの政策金利である2.5%9分の1程度に過ぎません。1.28%の間違いでは・・・。ところが何度聞いても答えは同じなのです。

銀行の担当者が余りに自信満々なので、そもそも「スイスの政策金利は2.5%である」という情報自体が間違っていたのではないかと不安になってしまいます。日本の外貨預金が為替手数料狙いのあざとい商売であることは承知しているものの、まさか、いくら何でも預金金利が「政策金利の9分の1」なんていうことはあり得ないでしょう。

 

「スイスフランの特殊事情」はあるのか

そこで、逆に「確か、スイスの政策金利は2.5パーセントだと思ったのですが・・・間違いないでしょうか」と、恐る恐る尋ねてみるとします。すると、銀行の担当者はそれも知らないのか、「お待ち下さい」と言われ、さんざん待たされた挙句に、「2.5パーセントで間違いありません」などと平然と言われてしまうのです。

 銀行は、各国の政策金利などチェックしていない顧客に対しては、「スイスは日本と並ぶ低金利国ですので・・・」などと言えば納得されるのかも知れません。あるいは、「日本人は低金利に慣れているから預金金利があるだけで喜ぶ」と思われているのかも知れません。

しかし、顧客がいくら金融知識を欠いているからといっても、これはやりすぎだと思うのです。

 どうしても納得が行かないので、同じことを、知り合いのプライベートバンカーに聞いてみました。もしかしたら「スイスフランの特殊事情」のようなものがあるかも知れないと思ったからです。

すると、「スイスフランの定期預金金利は6ヶ月もので2.250パーセント、1年もので2.375パーセントである」と言われました(2007824日現在)

 

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