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バブル崩壊以後、株式投資のチャンスは3回?!
まず、前提として、最近の日本経済の景気変動について調べてみます。
バブルの崩壊以来、「失われた10年」とか「いや、10年じゃなくて15年だ」とか言われるように、景気が実際によくなって来たのはやっと2005年あたりからだという気がするのではないかと思います。
株価上昇とともに「戦後最長の景気拡大」がようやく実感を伴ってきたのが、おそらくこの頃ではないでしょうか。
もっとも、この感じも2007年暮れ頃には急速にしぼんでしまったのですが。
ところが、実際の景気変動を詳しく見ると、1991年から2007年頃までに、日本経済の景気循環サイクルは何と3巡しています。すなわち、3回の景気後退期と3回の景気拡大期を経験しているのです。
ということは、「アセットアロケーションの機動的転換」の考え方からすると、1991年から2007年の約17年間で株式投資のチャンスは3回あったことになります。具体的には、1993年10月、1999年1月、2002年1月が景気の底であったとされています。
理想的にはそれら「景気の底」の時期に株を買い、景気が頂点に達する時期(具体的には、それぞれ1997年5月、2000年11月、2007年前半頃)に売れば、最適の結果が得られることになるでしょう。
しかし、現実の投資で、そうぴったりと景気循環に合わせて売買することはまず出来ません。
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より現実的なシナリオ
そこで、本書のシミュレーションでは、よりシンプルかつ現実的で実行しやすいと思われる次のような条件を設定して計算してみることにします。
投資期間は、1996年度末から2005年度末までの約9年間とします。
売買時期は各年度末、つまり3月末のみとします。
景気の反転時期などは後から振り返ったときに知られるだけで、その時点では専門家にもよく分りません。ですから、「年度末」という分りやすい時点を予め決めておくのです。
もちろん、投資上「年度末」に特別な意味を見ているわけではなく、「子供・妻の誕生日」などでもいいわけです。
さて、ここでは、1996年度末から投資を開始して、1997年度末、1998年度末、1999年度末、2000年度末、2001年度末、2002年度末、2003年度末、2004年度末のそれぞれの時期に投資結果を見直すことにします。
そして、各見直し時期においては、次の原則に従ってアセットアロケーションを組み換えることとします。このような投資行動の結果として、2005年度末にはいくらになっていたかを見るのです。
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