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外貨預金の呆れた実態

スイス銀行の貸し金庫について

 

 

金融商品としての「戦時公債」

 実は、当時の証券取引所では、株式会社が未発達であったこともあり、国債の取引が大きなウェイトを占めていたらしい。しかも、国債発行の大きな目的は戦費の調達だった。19世紀のヨーロッパはある意味で「革命と戦争の時代」であって、ナポレオン戦争後も、クリミア戦争、普墺戦争、普仏戦争など大きな戦争が続き、その費用は国債(公債)で調達された。国債は銀行が引き受けて投資家に販売するから、イギリス、フランス、プロシア、オーストリアなど大国の銀行は一種の「死の商人」だったのだ(少し時代は遡るが、後に中央銀行となるイングランド銀行などは戦費調達の目的で設立されたのである)

言うまでもなく、戦争に負ければ戦時国債は紙切れとなり、経済は混乱する。国家というものは、こうして「小金持ち」の財産を吸い上げては蕩尽してきたのである。

 

 

国家の横暴を抑えるものは

 こういうやり方は日本とても例外ではなかった、むしろ日本において典型的に現れたことは、ある程度ご年配の方ならご存じのはずである。第二次大戦中に戦費調達のために発行された戦時公債が紙切れと化したことは、ことあるごとに思い出されていい。前途有望な若者からは生命を奪い、年配者からはその一生を費やした財産を奪ったのが、戦争であり、国家なのである。

 「国家」について何が一番問題かと言えば、その横暴を抑えることができる「高次の力」が究極的には存在しないということである。そうなると、「国家」が何か無茶なことをやらかした場合に、これを止めさせる可能性は、別の「国家」の暴力しかないということになってしまう。つまり、戦争である。

とは言え、一応、民主的に統治されている国であれば大丈夫だろうと期待はされるのだが、1930年代のドイツ・ワイマール共和国の例からも知られるように、それでうまく行くという保証はない。我々の平穏な生活は国家が保障してくれることに一応なってはいるが、国家がそれを「うまくやってくれる」という保証は誰もしてくれないのである。

 

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