スイスの銀行には「貸金庫」もある
銀行預金のリスク、たんす預金のリスク
低金利とデフレが続くなか、「銀行に預けても仕方がない」と現金のままで保管している人たちも多いはずだ。
かつて、銀行預金には利子があった。今はない、というか正確には「無いに等しい」。しかも、ペイオフの完全実施がすでに始まっており、銀行預金が完全に保護されるのは1000万円が限度である(「外貨預金の保護」は、文字通り全くない)。だとすれば、銀行預金なんて、「無いに等しい利息」と引き換えにわざわざ財産を危険にさらすようなものだ。こう考えて、虎の子の財産を、預金でなく現金のまま置いておこうとする人たちがいるのは理の当然である。
ところが、多額の現金を自宅などに置いておくのはリスクが大きい。自宅に厳重な金庫を備えたとしても盗難の危険性がなくなるわけではないし、万一火災があればどうなるのか予想がつかない。自宅ではなく、より安全な保管場所はないものか。
そう考えた人たちが行き着いた先は、結局「銀行」だった。しかし、彼らは預金したのではない。「銀行に預ける」とはいっても、現金のまま「貸金庫」に預けたのである。
こんな銀行の利用法があったのだ。
日本は「安全」か
ただし、この方法が有効であるには、日本の治安が安定しているという前提条件が付く。
銀行ATMをパワーショベルで破壊するという力技を除けば、日本ではまだ銀行強盗は珍しいと思われるかも知れない。しかし、警備の手薄な郵便局(これも一種の「銀行」である)などは時々襲われている。それに、日本の銀行は実質的にほとんどすべてが大衆的なリテール・バンクであるので、街中でいかにも「銀行でございます」という顔をして構えているのがどうも気になる。もっと目立たないか、何となく人を寄せ付けないような雰囲気がある銀行の方が安心だという気がする。
[Swiss Private Bank Account for Free]
[Offshore Trust vs. Liechtenstein
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