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国家のガバナンス

こうしてみると、ハプスブルク朝オーストリアの落日であった皇帝カール1世の悲劇は、国家のガバナンスの問題と深く関わっていたことが分かる。

繰り返しになるが、国家であれ企業であれ、ガバナンスに問題のある組織は、トップが優秀である間はいいとしても、そうでない場合は悲惨なことになる。しかし、英明な君主の子が英明であるとは限らないし、天才経営者の子が同様に天才となる保証はどこにもない。それでも、組織が比較的小規模であったり、社会や経済が単純であった時代なら何とかなったのかも知れないが、20世紀の大国経営ともなるとそうは行かない。だからこそ、とりわけ現代欧州の王家は、国家のガバナンス機能を妨げないような象徴的な存在となることを選んだのであり、その一方で、大権を平穏に委譲できなかった君主たちはその地位も財産もほとんどすべてを失ったのである。

 

 

ガバナンス形態の歴史

思えば、ここ100年ほどの国家の統治形態の変化、企業組織の変遷は、ガバナンスが機能しにくいタイプの組織が淘汰され、よりガバナンス機能が発達した組織に取って代わられるという歴史であった。冒頭に述べたヨーロッパにおける君主制国家の減少ばかりでなく、ファシズム国家や社会主義国家の衰退も、権力が過度に集中しガバナンス機能の働かなくなった組織が時代の変化に対応できないことを示している。一般的に言って、「朕は国家」的な独裁者は、すべてを得た後にすべてを失うものだが、このような激しい浮き沈みも、ガバナンスの利かない組織が柔軟性を欠くことを反映していよう。ガバナンスが機能している組織では、トップに多少の失策があっても一夜にしてすべてが失われるとはなかなか考えにくいのである。

 

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