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美術品バブルの経済的理由
絵画・彫刻の市場はすべてバブルだと言ったが、バブルであれば、いつかは必ずはじけるものである。1980年代から1990年頃までの美術市場のバブルは、経済的要因によって生じ、そしてはじけた。株・不動産投資の含み益がカネ余りを生み、資金が美術品のマーケットにも流入したことによる絵画・彫刻投資の過熱は、株・不動産の市場が崩壊すれば冷めるのが必定であったと言える。このように、めぼしい美術作品すべてが一斉に値上がりするような美術品バブルは、投機資金の過剰と枯渇という経済的要因に伴って発生し、また崩壊する。美術市場のバブルが経済のバブルと運命をともにするのは、ごくありふれた現象だ。
しかし、美を求める心が経済合理的なものでない以上、絵画・彫刻芸術のマーケットには、経済的要因からだけでは説明できない面もある。
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「趣味」というリスク
それは、「趣味の変化」による暴騰と暴落である。
美術作品の所有を欲する人間の非合理的な欲望の根底には、多くの人々による「美意識の共有」があると考えられる。「何が美しいか」についてのコンセンサスが、漠然としたものであれ共有されているからこそ、特定の作品に人気が集中し、価格が高騰するという現象が生じるのだ。今、ピカソやゴッホ、ルノアールなどの作品が高値で取引されているのは、それを美であると認める人々がそれだけ多くいる証拠でもある。
ところが、突如として、この「共有された美意識」が変わることがある。それが「趣味の変化」だ。
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